内科(生活習慣病)
内科(生活習慣病)
一般内科では、日常生活の中で比較的かかりやすい急性の症状や慢性疾患の継続的な治療とコントロールを行っています。また、専門的な高度医療が必要な場合は、専門の医療機関へご紹介し適切な治療を受けていただけるようにする役割も担っています。次に、よく見られる症状を挙げています。「何科を受診したらよいかわからない」といった場合など、お悩みの際はお気軽にご相談ください。
見逃しやすい症状でも、適切な検査を行うことで重大な病気の早期発見につながることがあります。体調不良や健康に関して気になることがございましたら、何でもお気軽にご相談ください。
かぜは、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰などを主症状とする上気道(鼻やのど)の急性炎症の総称です。発熱、咽頭痛、全身倦怠感、食欲低下などを伴う場合がありますが、高熱は出ず、頭痛や全身倦怠感などの全身症状も軽いという特徴があります。悪化すると気管支炎や肺炎に進行する場合もありますので、治ったと思っても無理をせず、完治するまで治療を続けてください。
インフルエンザウイルスによる急性熱性感染症で、通常、寒い季節に流行します。感染して1~3日間ほどの潜伏期間の後に、38℃以上の突然の高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などが現れ、咳、鼻汁、のど痛などの症状がこれらに続き、およそ1週間で軽快します。通常のかぜ症候群とは異なり急激に発症し、全身症状が強いことが特徴です。
季節性インフルエンザはいったん流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が拡がります。二次感染、合併症の予防のためにも、できるだけ早く受診することが大切です。
胃腸炎のほとんどはウイルス感染(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)で、一部に細菌性(カンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌など)が見られます。ウイルスが付着した料理を食べたり、手指についたウイルスが口に触れたりすることで感染し、冬場、幼稚園や小学校などで集団発生することも少なくありません。
症状は下痢、腹痛、嘔吐、発熱が多くみられます。治療は脱水を予防し、症状に合わせた内服薬を服用します。細菌性が疑われる場合には抗生物質を使用することもあります。
生活習慣病とは、その名の通り生活習慣が原因で発症する疾患の総称です。がんや脳血管疾患および心疾患の危険因子となる肥満症、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、動脈硬化症などはいずれも生活習慣病とされています。これらは自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行し、脳や心臓、血管などにダメージを与えていきます。その結果、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる重篤な疾患を引き起こすことがあります。
生活習慣病は健康診断などの一般的検査によって早期発見が可能です。検査値に異常があったり、少しでも不安を持たれたりする方はお早めの受診をおすすめします。
日本高血圧学会では上の血圧である収縮期血圧(心臓が収縮したときの血圧)が140mmHg以上、または下の血圧である拡張期血圧(拡張したときの血圧)が90mmHg以上を高血圧としています。そのまま高血圧の状態にしておくと脳や心臓の血管が動脈硬化を起こし、脳卒中や心臓病、腎臓病などの重大な病気を発症する危険性が高まります。日本人の高血圧の約8~9割が本態性高血圧(原因をひとつに定めることのできない高血圧)で、遺伝的素因(体質)や食塩の過剰摂取、肥満など様々な要因が組み合わさって発症します。食生活を中心とした生活習慣の改善が予防・治療に非常に大切です。
脂質異常症とは血液中の「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が増えたり、「善玉」のHDLコレステロールが減ったりしている状態のことをいいます。この状態を放置していると動脈硬化が起こり、自覚症状のないままゆっくり進行していくことで、脳梗塞や心筋梗塞といった動脈硬化性疾患をまねくリスクが高まります。
脂質異常症の発症には、過食、運動不足、肥満、喫煙、過度な飲酒、ストレスなどが関係しているといわれています。「内臓脂肪型肥満」ではLDLコレステロールや中性脂肪が多くなり、HDLコレステロールが少なくなりやすい傾向があります。また、遺伝性の「家族性高コレステロール血症」と呼ばれているものもあります。
糖尿病とは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、十分に働かないために血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなる病気です。1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他特定の機序・疾患によるものの4つのタイプに分類されていますが、日本人で圧倒的に多く、生活習慣病の一つとされているのが2型糖尿病です。その発症には、インスリンの分泌不足といった要因に加え、遺伝、過食、運動不足、肥満、ストレスといった生活習慣が関係しているといわれています。
糖尿病を発症し進行すると、神経障害、網膜症、腎症など様々な合併症を引き起こすことがあります。糖尿病を予防するため、あるいは進行を遅らせるために早期の検査・治療が必要です。
心臓のまわりには冠動脈が王冠のようにめぐっています。その冠動脈が血栓によって突然つまり、心臓の筋肉に酸素や栄養が供給されず、その部分の動きが悪くなってしまうのが心筋梗塞です。突然、激しい胸の痛みが起こり、脈の乱れ、呼吸困難、吐き気、冷や汗や顔面蒼白を伴うことがあります。痛みは胸だけでなく、胃のあたりや腕・肩などにも生じることがあります。発作は長く続き数時間に及ぶこともあります。このような場合は、至急救急車を呼んでください。
心筋梗塞の原因の大部分は動脈硬化です。肥満症や高血圧症、脂質異常症、糖尿病など、動脈硬化を引き起こす生活習慣病が原因疾患として挙げられます。また喫煙や内臓脂肪も危険因子として考えられています。
心筋梗塞を予防するには、動脈硬化を起こさないことです。動脈硬化のほとんどは生活習慣に起因するため、まず、その改善を図ることが大切です。バランスのよい食事を心がけ、塩分・糖分・脂肪分を摂り過ぎないようにしましょう。肉やバターなどに多く含まれる飽和脂肪酸よりも、不飽和脂肪酸の多い魚やえごま油などを摂るとよいでしょう。運動はウォーキングのような有酸素運動がおすすめです。また近年、発症の引き金としてストレスやうつなどが影響していることもわかってきました。普段からストレスをためないようにすることも大切です。